20日目、旅が始まった駅へ戻る。ストックホルムから北京経由で羽田へ
おはようございます。20日目、最終日です。
場所は、スウェーデン南部の小さな町ヘストヴェーダのユースホステル。今日はここを出て、列車を乗り継いで北へ。旅が始まったストックホルムまで戻って、そこから飛行機で日本に帰ります。
木材を抱えて出ていった、大きなおじさん
朝、キッチンと共有スペースを共有している、もうひとつの部屋のおじさんと、たまたますれ違いました。昨日から泊まっている人です。「おはよう」くらいの、簡単なやりとりをしました。
おじさんは、木材を手に持ってチェックアウトしていきました。きっとDIYとかをやるタイプなんだろうな。体がすごく大きくて、話しているだけでこっちまで元気になるような、不思議なおじさんでした。どこの国の人なのか、聞けばよかった。結局分からないままです。
時刻は10時ごろ。私も10時半の電車に乗るので、そろそろ宿を出ます。

朝のユースホステル。茅葺き屋根の黒い木の家と、芝生の庭
出る前に、カメラに向かって少し話しました。
「最終日ということでね、旅が終わる切なさはありつつ、まあきっとまたどこかで次の旅をしてるだろう」
今いるこの場所も、この19日間で訪ねた場所も、きっと人生の中にずっとある。だから寂しくならずに、今日も前向きに楽しもう。そう言って、宿をあとにしました。
黄色い普通列車で、乗り換えの駅へ
ヘストヴェーダの小さなホームに、黄色い普通列車が入ってきました。これに乗って、まずは北の乗り換え駅へ向かいます。
1時間ほどで着いたのは、赤い木の柱が並ぶホームの駅でした。待合室の発車案内には、ストックホルム、コペンハーゲン、ヨーテボリ、カルマル行きの列車が並んでいます。行き先の組み合わせからすると、ここはアルベスタ。ストックホルムとマルメ、コペンハーゲンを結ぶ幹線に、ヨーテボリやカルマル方面への線が合流する、鉄道の分岐点の町です。

乗り換えの駅のホーム。赤い木の柱の向こうに、黄色と赤の普通列車が止まる
待合室の壁には、スウェーデン各地の駅と待合室の場所を描いた地図が貼ってありました。いちばん上のほうには、ルレオやキルナの名前があります。1日目の夜に、ストックホルムから座席の夜行列車で13時間かけて上っていったスウェーデン北部は、この地図のずっと上のほうです。
特急で北へ、ストックホルムまで
12時29分発、ストックホルム中央駅行きの特急に乗りました。発車案内によると、途中でネッシェー、リンシェーピング、ノーショーピングに止まっていく列車です。
席に着いて、テーブルにコーヒーと青りんごを置きました。

特急の座席のテーブルに置いた、コーヒーと青りんご
車両の一角には、コーヒーと紅茶のポット、りんごの入ったかご、お菓子のかごが置いてありました。窓の外では、緑の森がびゅんびゅん流れていきます。
車内の扉には、「Det här är en lugn vagn」という青い札。英語で「This car is a calm zone」とあって、静かに過ごすための車両でした。
旅が始まった駅に、戻ってきた
午後4時前、ストックホルム中央駅に着きました。
「旅が始まったところに戻ってくるっていうのは、なんか、エモいというか」
物語が終わるような切なさはある。でも、ヨーロッパを旅したことで、始まりのときとは少し違う自分になったんじゃないか。駅で、そんなふうに話していました。

ストックホルムの街。赤レンガの建物の向こうへ、まっすぐ通りが延びる
駅のCOOPで、最後の買い物をしました。1日目、旧市街のCOOPでカールスバーグとプリングルスを買ったのが、この旅最初の買い出しでした。
そして、Maxにも寄りました。1日目、着いてすぐに入ったハンバーガー屋です。あのときはクラシックハンバーガーのセットが約2,000円。物価に青ざめて、「破産しちゃうよ」と口に出していました。今日頼んだのは、サンデーひとつ。カードの請求は385円でした。

Maxのサンデー。窓の外には、ストックホルムの古い建物
ついでに言うと、この日もストックホルムでトイレにお金を払っています。1日目に書いた有料トイレは、最後の日まで健在でした。
アーランダの搭乗口は、カフェみたいだった
空港へは、アーランダエクスプレスで向かいます。1日目、空港から中央駅まで乗ってきた列車です。所要時間は18分。今度は逆向きに乗ります。

ストックホルム中央駅の、アーランダエクスプレスのホーム
アーランダ空港で驚いたのは、人の少なさでした。
「人めちゃくちゃ少ない。成田、羽田で見た行列が嘘のようです」
行きの羽田では、荷物を預けるまでにチェックインの列に50分並びました。それと比べると、別世界です。
保安検査を抜けた先の搭乗口のほうには、おしゃれな休憩スペースが広がっていました。ベンチのデザインがおしゃれすぎてびっくりしたくらいです。私が座ったのは、家の形をした椅子。なんなら、行きに入った羽田のラウンジより全然おしゃれなんじゃないか、という空間でした。
フライトまで、まだ2時間半くらいあります。映画を見たり、日記を書いたり、音楽を聴いたりして過ごすことにしました。
「無料で、カフェみたいにして楽しめる空港が世界にあるんだって。超びっくり、ラッキー」
1日目、この街で一番印象に残ったのは、お金を払わずに座れるベンチの多さでした。最後に出会ったのも、お金を払わずにくつろげる場所でした。
22時20分発の北京行きに乗り込みます。機内の窓の外には、夜の空港の灯りが見えていました。

機内の窓から見た、夜のアーランダ空港の灯り
北京のラウンジで、寝過ごしかける
機内では、エビのサラダとご飯のおかずの夕食、着陸前には麺とチキンの食事が出ました。行きの便でも、2食目は麺がふやけたチキンヌードルでした。座席のモニターの地図では、行きと同じように、ロシアの上を東へ線が延びていました。
北京で、うれしい誤算がありました。
「なんとですね、Trip.comのランクの特典で、VIPラウンジがただで使えるということなので」
行きの北京では、ラウンジにも入れず、ネットもつながらないまま2、3時間を待ちました。今回はTrip.comのアプリに、ターミナル3のラウンジの入場コードが出ています。「これマジでありがてー」。

北京の空港のラウンジ。竹の絵の壁の前に、ひとりがけのソファが並ぶ
北京では燕京ビールも開けました。ラウンジで寝たり本を読んだりしていたら、気づけば15時過ぎ。私の乗るCA421便は、もう搭乗が始まっていました。
「やばいな、急がなきゃな。急ぎます」
行きの羽田でも、ラウンジでのんびりしすぎて、急いで搭乗口へ向かいました。行きも帰りも、最後は急ぎ足です。
羽田に着いて、旅が終わった
北京から羽田への便では、カレーのようなソースのかかったご飯と、メロンの機内食が出ました。夜8時過ぎ、羽田の到着エリアには、「Visit Japan Web」の黄色い案内が立っていました。
予算50万円、20日間の、鉄道でまわるヨーロッパの旅は、ここで終わりです。
最終日の朝、宿を出る前に話していたことが、この旅の締めくくりなのだと思います。旅が終わるのは切ない。でも、きっとまたどこかで、次の旅をしている。
そしてストックホルム中央駅に戻ってきたときには、こう話していました。始まりのときとは、少し違う自分になったんじゃないか、と。
この旅の始まりは、1日目、ストックホルムの記事から読めます。
この日に出ていったお金:3,274円 50万円の残り:72,203円